ブランクの塗装 一考

ひさ父

2013年01月22日 19:32

今日は竹削りはなしでブランクの塗装のこと。
先行しているお寺の古竹竿と他3本
今朝までブースの中で塗装乾燥中。
ブースから出して見るときっちりカシューは乾燥しているけれど
妙にテカテカだしなんか竹には似合わない気がしてくる。
特に古竹竿は100年以上の時間というものが感じられず
100円ショップの竹細工みたいで興ざめもいいとこ。
そこでまた悪い癖でサンドペーパー持ち出して研磨開始。。



細目のペーパーでせっかく塗ったカシューを摺り落として
さてどうしましょう。。。。
オイルフィニッシュってのは竿作り出した時からやってたけれど
それも今ひとつ納得できずにカシューにいったんだから。

思いついたのはもっと危ないこと。
そういえばオイルフィニッシュの下地用に柿渋がいっぱいあるから
柿渋でどこまで仕上がるかやってみようっと。

引っ張り出した柿渋を見てちょっとショック。
しばらく使わなかったら容器の中でゲル状になっちゃって。
でもこれって容器の中で凝縮し始め状態で摺りこんで塗るにはちょうどいいかも。



とろけるプリン状態(笑)の柿渋をブランクに乗っけて
ストッキングの切れ端でごしごし擦り付ける。
表面がサラサラになるまで擦り付けていくと



ほんのり柿渋色になって、こりゃいい具合。
こうして摺込み塗りを数回続けたところで一晩お休み。
柿渋って塗ったあとどんどん色が出てくるのでどんな色合いになるかちょいと興味津々。

古竹竿のほうが思いのほかいい具合だったので
よせばいいのにもう一本、焼き色のブランクもってことで
トンキンの7’00”もゴシゴシカシューを削り取って



同じように柿渋摺り塗りして。

こちらも数回擦り付けた後の様子
(真ん中の白い線はノードレスのジョイント)



樹脂系の塗料のように塗膜がわかるわけでもないけれど
表面は滑らかなつや消し状態。
あと何回かこんな風にしてみてどうなるかな。
実はかなり勝算があったりもするけど。

さてブランクの仕上げに柿渋ってどうよってこと。
竿に使う塗料の性能の重要な要素はまず防水性能だと思っている。
その点からすれば柿渋を含めオイル系の物は
樹脂系の物より劣っていることは確かなこと。
ただ樹脂系の物に比べ圧倒的に皮膜が薄いことは
竿のアクションにはメリット大だと思う。
そして個人的嗜好の範囲でシャープなスタイルも作りやすい。
ってことは防水性能さえもう少し確保できれば
私が好きな竿になってくれるはず。
今回はその辺ちょっと突っ込もうかな。

あ〜、またへそ曲がりが顔を出し始めたぞ(笑)